TDE「7つの約束」
①国際法に違反するダイヤモンドの取引は行いません
WDC（ワールドダイヤモンドカウンシル）が推進する、SoW 2nd Editionの原則通り、紛争ダイヤモンドの取引を行わない事はもちろん、アンチマネーロンダリング（汚職に関与しないこと、資金供与に関わらないこと）など、日本国内法はもちろん国際法に違反するダイヤモンドの取引や幇助は行いません。
SoW 2nd Editionは、国際法に違反するダイヤモンドの取引禁止だけでなく、ジェンダー平等、ハラスメントの禁止、児童労働や強制労働の禁止など、幅広い分野において、持続可能なダイヤモンド産業の成長に貢献する事を求めています。
②ダイヤモンド取引のマナーとモラルを守り取引において情報を開示します
WFDB決議（2022年）に基づきダイヤモンドの取引におけるマナーとモラルを守ります。ダイヤモンドの取引において、知り得る情報は全て開示し、透明性を確保し誠実な取引を行います。
WFDB決議2022（WFDB resolutions 2022）では、SoWの遵守はもちろん、取引における差別やハラスメントの禁止、取引するダイヤモンドについて知り得る情報を全て開示する事（知り得るグレーディングレポートの開示、処理の有無、模倣石や合成ダイヤモンドの開示など）取引における透明性を確保する事を求めています。
③いかなるハラスメントを禁止し未然に防ぐ事に努めます
SoWとWFDB決議2022が求めている通り、企業間のダイヤモンド取引時だけでなく、加盟企業の業務においても、いかなるハラスメントを禁止し未然に防ぐ事に努めます。
日本では、2020年6月に改正労働施策総合推進法が施行され職場内のパワーハラスメントを防止する規定が盛り込まれいます。パワハラ防止法と言われる規定です。他にも、セクハラは「男女雇用機会均等法」、マタハラは「育児・介護休業法」などにおいて具体的なハラスメントの内容が示されています。TDEでは「取引や業務上、必要な範囲を逸脱していないか」をハラスメントの定義として、いかなるハラスメントを禁止し防止する事に努めます。
④ジェンダーの違いを尊重し平等に活躍できる環境作りに努めます
SoWでは、ジェンダーに関係なく平等なダイヤモンド取引を行う事を義務付けています。TDEはダイヤモンド取引時だけでなく、加盟企業全体でジェンダーの違いを尊重して、平等に活躍できる環境構築に努めます。
ダイヤモンド及び、ダイヤモンドジュエリーの消費者の90％は男性以外です（TDE調べ）。ダイヤモンド業界にとってジェンダー平等を宣言する事は自然な事だと考えています。TDEはダイヤモンド業界がジェンダーに関係なく平等に活躍できる環境づくりに努める事を約束します。
⑤人種、民族、宗教的バックグラウンドによる差別を撤廃します
SoW及びWFDB決議2022では、ダイヤモンド取引時の差別による不平等の撤廃を求めています。TDEではダイヤモンド取引時だけでなく、加盟企業全体で、人種や民族、宗教的バックグラウンドによる差別を撤廃し多様性を尊重します。
ダイヤモンドは、原石の産出、研磨、流通、小売にいたる「ダイヤモンドパイプライン」では、実に多様な人種や民族間で取引が行われています。この多様性の中で平和に取引されている事こそがダイヤモンドが平和の象徴たりえる理由です。ダイヤモンド業界こそ率先して差別撤廃を宣言するべきだとTDEは考えています。
⑥上記の精神から逸脱している組織や個人とのダイヤモンド取引は行いません
国内企業だけでなく、海外企業も含め「7つの約束」の精神から逸脱している組織や個人とのダイヤモンド取引を行わない事を、加盟企業全体で約束します。「7つの約束」から逸脱している事実が判明した場合、TDEの仲裁委員会で協議し、処分が必要な場合は、理事会で最終的な判断を行います。
例えば、国際人権団体では、発展途上国のダイヤモンド産業における児童労働や強制労働を注視しています。また誤情報による取引問題は未だにプロの間でも散見されます。多様なダイヤモンドパイプラインの中で差別などによる不平等も事実として存在します。
ダイヤモンドが平和の象徴である社会の実現を目指して、TDEは「7つの約束」を推進していきます。
⑦TDE加盟企業および所属社員は協力して「7つの約束」を推進します
持続可能なダイヤモンド業界の発展のために、TDE加盟企業とその社員全体で協力して「7つの約束」を推進していきます。
SDGsへの貢献は普遍的な目標です。企業規模の大小、所属企業の役職やポジションに関係なく、ダイヤモンド業界全体の協力が必要です。「7つの約束」は小さな一歩かもしれませんが、ダイヤモンド業界だけでなく、ジュエリー産業全体にとって大きな一歩になると確信しています。